医療現場では、特定の地域や診療科に医師の数が偏り、地方の病院などで医師不足を引き起こす、いわゆる「医師の偏在」が深刻な問題となっています。
国はこれまで大学の医学部で卒業に一定期間、特定の地域での勤務を義務づける「地域枠」を拡大するなど、取り組みを講じてきましたが医療現場からはさらに強い対策を求める声が上がっています。
こうした中、厚生労働省は今月末から専門家を交えた検討会で、新たな対策を本格的に協議していくことになりました。
具体的には、開業医が多い地域での新規の開業を抑制できないかや、多くの病院を対象に、医師が少ない地域での勤務を院長など病院の管理者になる要件にできないかなどを検討する見通しです。
医師の偏在によって産科など一部の診療科を閉鎖したり救急体制を縮小したりする医療機関も出ていて、現場からは実効性のある対策を求める声が高まっています。
厚生労働省は年末までに議論をまとめたいとしていて、どこまで踏み込んだ対策を打ち出すかが焦点となります。